多汗症とわきがは別物?この臭いは、どっちが原因なの?
夏だけではなく、ちょっとした時でも大量に汗をかいてしまう多汗症の人は、1年を通していつでも汗がたくさん出るため、もしかしたら自分は汗くさいのではないかと思いがちです。
また、自分で汗の臭いを感じると、わきがかも…と悩んでしまう人も少なくないようです。そこで、多汗症とわきがの違いについて解説します。
|多汗症とわきがは別物!その違いを正しく認識しよう
多汗症とは読んで字のごとく、一般の人よりも汗が多く出る症状のことを言います。局所的に大量の汗が出る場合と、全身が多汗な場合との二つに大別されます。
汗をかくと臭いが気になりますよね。酸っぱい臭いは、汗特有のものです。しかし、臭いが気になるからといってわきがだと決めつけるのは少し早いかもしれません。
では、わきがとは一体どのような症状を指すのでしょうか。わきがの場合、発する臭いは汗のような酸っぱいものではなく、わきが独特のわきが臭があります。人によって玉ねぎのような臭いと言う人もいますし、香辛料のクミンに例える人もいます。
アポクリン汗腺が発達していることによって引き起こされるわきがは、たとえ汗をかかなくても脇周辺に臭気を放つため、多汗症とは別物なのです。
ただ、汗をかいた時に臭いが発散されるため、わきがの人が運動をして、汗を普段よりも多くかくと、周囲の人が臭いに気づきやすくなります。
誰でも汗をかけば汗臭くなるので、脇に汗をたくさんかいて、それが臭うからといって、わきがだと思い込まないようにしましょう。
|多汗症から、わきがになるケースもある?
多汗症とわきがが別のものだからといって、その二つに全く関係性がないのかといえば、実はそうではありません。多汗症からわきがを併発してしまうケースもあることを認識しておきましょう。このときに、キーワードになるのは「アポクリン汗腺」です。アポクリン汗腺は、汗腺という名前の示す通り、汗を分泌する腺です。
汗腺には臭いを放つアポクリン汗腺と、臭いを発しないエクリン汗腺の2種類があり、わきが特有の臭いを発するのはアポクリン汗腺だけです。わきがの人は、臭いの元となる毒素を放つ、このアポクリン汗腺の数が多いという特徴があります。
アポクリン汗腺はすべての人が持っている汗腺です。大量の汗をかくとエクリン汗腺だけでなく、アポクリン汗腺からも汗が出ます。結果的にアポクリン汗腺の数が多い人は、わきが臭を発してしまうことにつながるのです。ですから、多汗症がわきがの引き金になることもあると言えます。
|多汗症は治療できる!
わきがの人に多汗症が多くても、多汗症の人が、必ずしもわきがとは限りません。
しかし、多汗症を治療すれば、わきがを引き起こす要因を一つ消すことができると言えるでしょう。ただし、多汗症の汗に関係しているのは臭いを放たないエクリン汗腺で、わきがの臭いを発するアポクリン汗腺ではないことを忘れてはいけません。
多汗症の人は、臭いを発しないエクリン汗腺が異常に活発化しているか、分泌腺などを支配する交感神経が、異常に作用している可能性が高いと言えます。
多汗症を手っ取り早く解決しようとして、手術でエクリン汗腺を取り除いたり、交感神経を切除、あるいはブロックしたりする方法を取ることがあります。ただし、わきがの原因はアポクリン汗腺のため、多汗症と同時にわきがも治療したいという思いがあったのなら、それは叶いません。
切開手術をすることで大きな傷が残ると、それが新たな精神的苦痛になることもありますから、安易に外科手術を選ぶのはやめた方が良いでしょう。多汗症治療もわきが治療も、今では外科手術に頼らなくても、ミラドライのように外科手術と同等レベルの効果を期待できる治療法があります。
ですから、まずは外科手術以外の方法も検討に入れることをおすすめします。保険対象外の治療でも精神的な負担などを考えてみると、かえって得だと思えることもあるでしょう。
|多汗症もわきがも、悩むより専門医に相談を
多汗症とわきがは違うものであり、治療が可能な病気だということがおわかりいただけたでしょうか。自分の汗のかき方が異常だと思ったら、病院へ行って相談してみると良いでしょう。それだけでも、不安を和らげることができるかもしれません。
多汗症とわきがの明白な違いは「臭い」です。ですから、専門の医師に尋ねてみるのが最も安心で、解決に近づけられる方法と言えるでしょう。
もし、多汗症とわきがを併発しているような場合には、ミラドライで治療をすると両方の治療を一度にできて、一石二鳥のお得感があります。治療をせずに、ただ悩んでいるだけでは、精神的ストレスで逆に多汗を促進させてしまう可能性もあります。悩むくらいなら迷わず病院へ行ってみましょう。
多汗症を取り扱っている皮膚科や、お住まいの地域によっては発汗異常外来がある場合があります。いずれにせよ、皮膚科や美容クリニックに行けば、適切なアドバイスがもらえるので、まずは医師に相談してみることをおすすめします。
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